無限の終わり
近所にあった焼肉屋。
場所と建物の作りが悪く、客入りが異常に少なかったその店は1年くらい前に潰れてしまったのだけど、私は一度だけそこにひとりで焼肉を食べにいったことがあった。
店内はきっぷの良さそうなおばあさんが切り盛りしていて、切り盛りといっても、俺と1組のカップルしかいなかったんだけど、俺がひとりで焼肉を食べていたら、可愛そうな奴なのかと思ったようで、めちゃくちゃ話しかけてきた。
俺はただ肉が食いたかっただけなので非常に鬱陶しかったが、無視する訳にもいかず、なんとなく話をあわせていたように思う。
おばあさんは、どっかで飲み屋を経営していて、昔は羽振りが良かったなどといった話だった。結構やり手のばあさんなんだなと感心した記憶もある。
で、会計をしてもらうことになり、いろいろと話をしたよしみでサービス券を発行してくれることとなった。
サイコロステーキの券。
その券には有効期限を記入する箇所があり、ばあさんは「どうしようかねえ…まぁいつでもおいでよ」と言い、
∞ (無限)
とボールペンで記入してくれたのだった。
昨日財布を整理していたらその∞のサイコロステーキ券が出てきた。
いつでもおいでと言っていたがもうお店そのものがなくなってしまったのだ。
無限にも終わりがあるのだなと、なにやらしみじみとした気持ちになった。
というようなことを書くと、センチメンタルな感じがするが、実際、「あそこスゲー話し掛けられるから行きづらいわー」と思っていたら潰れてしまった。あと値段が異常に高かった。ひとりでそんな食べてないのに8000円くらいしたし。サイコロ∞じゃねーよ!という気持ちだったのだけど、なくなってしまうとそれはそれで、ちょっとしみじみするなっていう話。
あと、ばあさんが書いてくれた∞って文字、
カクカクしてて
蝶ネクタイみたい
と思ってた。
場所と建物の作りが悪く、客入りが異常に少なかったその店は1年くらい前に潰れてしまったのだけど、私は一度だけそこにひとりで焼肉を食べにいったことがあった。
店内はきっぷの良さそうなおばあさんが切り盛りしていて、切り盛りといっても、俺と1組のカップルしかいなかったんだけど、俺がひとりで焼肉を食べていたら、可愛そうな奴なのかと思ったようで、めちゃくちゃ話しかけてきた。
俺はただ肉が食いたかっただけなので非常に鬱陶しかったが、無視する訳にもいかず、なんとなく話をあわせていたように思う。
おばあさんは、どっかで飲み屋を経営していて、昔は羽振りが良かったなどといった話だった。結構やり手のばあさんなんだなと感心した記憶もある。
で、会計をしてもらうことになり、いろいろと話をしたよしみでサービス券を発行してくれることとなった。
サイコロステーキの券。
その券には有効期限を記入する箇所があり、ばあさんは「どうしようかねえ…まぁいつでもおいでよ」と言い、
∞ (無限)
とボールペンで記入してくれたのだった。
昨日財布を整理していたらその∞のサイコロステーキ券が出てきた。
いつでもおいでと言っていたがもうお店そのものがなくなってしまったのだ。
無限にも終わりがあるのだなと、なにやらしみじみとした気持ちになった。
というようなことを書くと、センチメンタルな感じがするが、実際、「あそこスゲー話し掛けられるから行きづらいわー」と思っていたら潰れてしまった。あと値段が異常に高かった。ひとりでそんな食べてないのに8000円くらいしたし。サイコロ∞じゃねーよ!という気持ちだったのだけど、なくなってしまうとそれはそれで、ちょっとしみじみするなっていう話。
あと、ばあさんが書いてくれた∞って文字、
カクカクしてて
蝶ネクタイみたい
と思ってた。
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